空気を汚さないごみ焼却施設は環境負荷低減に役立つ

空気を汚さないごみ焼却施設は環境負荷低減に役立つ

ごみ焼却施設が周囲の住民から嫌われてしまう理由は、ダイオキシンを始めとする有害物質が焼却炉の煙突から周囲に拡散されて健康被害が出るのではないかという懸念からです。確かにかつてはごみの分別をしっかり行わずに燃えるごみとして焼却する割合が高く、塩化ビニールを低温で燃焼させることによりダイオキシンを知らずに発生させていました。しかし、高性能なごみ焼却施設が開発されて導入されている自治体では、煙突からは水蒸気と二酸化炭素以外の物質が出ないようなフィルター処理が行われています。つまり、空気を汚さないごみ焼却施設ならば、周囲に住んでいても健康被害を気にする必要はありません。

高性能なごみ焼却施設が空気を汚さない理由 高性能なごみ焼却施設が空気を汚さない理由は、高温で燃焼させることにより不完全燃焼を防ぎ、排煙を触媒付きのフィルターへ通すことで有害物質が煙突から出ないような仕組みが採用されているからです。ディーゼルエンジンを搭載した大型トラックの排ガスに高性能フィルターが搭載されたことで、排ガスによる公害が減少したことを実際に目にしている人が多いはずです。ごみ処理施設を高性能なものに切り替えている自治体では、ダイオキシン発生を防ぐために高温燃焼を行い、フィルターによる有害物質除去も併用しています。

一方、まだ空気を汚さない高性能な焼却炉を導入していない自治体では、ごみの分別を細かく行い焼却炉で燃やすごみの量自体を削減する取り組みを行っています。高性能なごみ焼却炉は建設コストが高く、既存の焼却炉に対して建て替えが必要となるまでに期間が残されているならば、煙突へのフィルターを強化しつつ焼却炉の利用量そのものを削減する方向で取り組んでいるわけです。空気を汚さない高性能な焼却施設への切り替えが済めば理想的ですが、身近な所でごみの分別を細かく行うことでごみ減量化を並行して進めることが重要です。空気を汚さない焼却施設だけに頼り切らないリサイクル意識を持つことも、空気を綺麗に保つためには必要なことと考えられます。